16.ご近所の方から聞いた昔話
「どんど焼き」

 

 桜上水の中村さんに伺ったお話です。今はもう見られませんが、昔はお正月が終わると門松やお札などをまとめて焼く「どんど焼き」という行事がありました。
 其の頃、門松は近所の竹やぶから3〜4メートルもある竹を切ってきて、松とあわせ注連縄をかけ御幣を飾って門の両脇に立てました。ですからこの長い門松を片付けるのは結構時間の掛かる仕事でした。
  近所の子供たちがリヤカーを使って門松を集めて回りました。小学校の上級生が指図して下級生が手伝います。片付けて貰った家々ではお礼に子供たちにお小遣いを渡します。受け取るのも上級生です。
 今の経堂小学校の近くに有った空き地に高く積み上げて火をつけます。およそ10メートルもあろうかという炎が立ち上ります。この火でお餅を焼いたりするのも楽しみでした。
 行事が終わると、上級生が何軒もの家から頂いたお小遣いを皆に分配してくれます。子供たちにとって大きな「臨時収入」です。
 これもまた「どんど焼き」の楽しみでした。昔はこんな習慣もあったのです。